Hello!!!!!! Buona tavola Tricolore ボナ タボラ トリコローレ

岐阜県大垣市にあるイタリアンベースの美味しいお食事とワインのお店です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

coffe cup 第6話

第4話
第5話

いつもの黒いコンバースオールスターをやめて、押し入れ奥の方にある時代遅れのくたびれた白いラバーソールを引っ張り出す。
ただ意味もなくそういう気分なだけ。

今日はすこしだけ早く調理場に着いた。
ちょうど見習いがこねたパスタを製麺機で伸ばす所だった。

「Torattoria Del Sole トラットリア デルソーレ」

・穴子のテリーヌ
・空豆の冷たいズッパ
・蛤とルーコラとからすみのリングイネ
・鴨胸の白胡椒焼き 卵黄ソース
・すずきのポワレ エシャロットソース
・いちごのタルトレット

アルミホイルで作った灰皿にタバコを押しつけ伸びっぱなしの髪の毛をゴムでしばり、俺は殴り書きした今日のメニューを貼り付けた。

2ヶ月前にシェフに就任した。
別に嬉しくもないし、騒ぐこともない。この座が欲しかったらいつでも変わってもいい。
ただ10年働けば誰だって料理なんて出来る。 
早いか遅いかはどうでもいい。


広めにとったテーブルに新しい料理の度に、ナイフレストに新しいフォークとナイフを並べる。
化粧塗りたぐって素顔を隠した女と金だけ払う男が
駆け引きだけの中身のない話でワインを飲む。


俺の食べたい料理 俺の作りたい料理はこの店にはない。
気分が悪い訳じゃない、いつもそう思うだけの事。


こんな夜はレコードに針を落とし、大好きな「Johnny be Good」を流す。
「Sun」っていう名のお香を焚く。尖った匂いが空気をかわかしてくれる。
冷たい白ワインをコーヒーカップに注ぐ。
俺の家には、グラスがない。ワイングラスももちろんない。
コーヒーカップがひとつだけ。

俺にはそれがちょうどいい。
  1. 2009/06/18(木) 14:56:08|
  2. a novel (coffee cup)
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<coffee cup 第9話 | ホーム | リレー小説>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://count123456.blog73.fc2.com/tb.php/40-b66434ef
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。