Hello!!!!!! Buona tavola Tricolore ボナ タボラ トリコローレ

岐阜県大垣市にあるイタリアンベースの美味しいお食事とワインのお店です。

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第15話

第13話
第14話

俺はソファーの中にとけ込むように眠っていた。
酒で頭が痛いのは気にならない。

俺は初めて深く吸って吐いた。
深呼吸でもため息でもなく。
自分のために。

台所の戸棚からエスプレッソマシーンを出す。
冷凍庫からコーヒー豆を取り出し手挽きで豆を挽く。
コンロの火にかけじっと待つ。
豆が水を吸って吐きだすのを。

クレマのないエスプレッソにたっぷりの砂糖を入れスプーンで混ぜる。
ぐるぐるぐるぐる。


「料理は、ある種の麻薬だ。俺の作った料理を食べた客は常連になり俺の料理を食べなきゃならなくなる。
出来るだけ俺の手に掛かった料理を作るんだ。バンズもトマトソースもフォンドボーも。ピクルスだって漬けるんだ。近くの山には俺の小さい畑があって作れる野菜はそこで作る。
俺のパテの挽肉も自分で叩いた肉を使って、パテの隠し味にはシナモンが入ってるんだ。しかもホールのシナモンを削ったものを。
みんな笑顔になるんだ。俺の作った料理で。

でもまだまだなんだ。俺はいわゆる飲食っていう概念をひっくり返したいんだ。
お前となら出来そうな気がする。
一緒にやらないか。」


そんな事をたけるは眩しい笑顔であの日語っていた。


俺は息苦しい狭い東京の高級レストランと言われている箱で機械のように値段だけが高い料理を制作しているだけだった。
医者やら、有名人やら、おおよそ俺とは関係のない人間のために。


奥深いエスプレッソを飲み干し
細身のドゥニームのジーンズを履く
くるぶしで2つロールアップさせた。
それは高校の時、たけると観た「トレインスッポティング」のユアンに影響されたものだ。


まだ半分残っているタバコを握りつぶし、ベランダから投げ飛ばした。


始発には少し早いが、俺は東京駅に向かっていた。
  1. 2009/06/20(土) 13:20:26|
  2. a novel (coffee cup)
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