Hello!!!!!! Buona tavola Tricolore ボナ タボラ トリコローレ

岐阜県大垣市にあるイタリアンベースの美味しいお食事とワインのお店です。

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第27話

第25話
第26話


スーツの男は取り乱しているようだった。
たけるがなだめるも興奮しているようだった。

巻き込まれたくない訳じゃないが、ここはたけるの店。俺がどうこうする事じゃない。
それに、俺はスーツの男を知ってはいるが、知り合いじゃない。俺の事に気付いていないみたいだし、今展望室の事を蒸し返す意味がない。

話を聞いてる訳じゃないが、たけるが何か説明をした後、男は何か思い出したのか納得したのか静かになった。
また何か話し、たけるは戻ってきた。

「大丈夫か?変な奴がいるもんだな。あんなやつ追っ払ったっていいだろう。ほかのお客さんの迷惑になる。」

「いいんだ。確かにおかしい人かもしれない。だけど、あの人ハンバーガーとポテトフライを頼んだんだ。確か前にも同じのを。俺の料理を求めてきたんだ。それに大河。他にお客さんって言ったって、今はお前1人だ。なっ。
俺は俺の店に来る人全てを受け入れるんだ。それが料理じゃないかも知れない。俺に会いに来る人もいる。相談に来る人だって少なくない。それがカフェの醍醐味の1つさ。」

はははと、たけるは厨房の中へ入っていた。

「大河。今日は仕込みありがとな。ビールでも飲んで待っててくれ。」
と、たけるは俺にハイネケンを渡した。

カウンターに1人になった俺は
朝が早かった事。10年ぶりに産まれた田舎に帰って来たこと。田舎が街に変わってた事。それを上から見渡した事。それの上を歩き回った事。たけるの店に来た事。たけると話した事。来てよかったなっていう事、今日の1日を振り返り、充実した1日を確認しビールを飲み干した。

うまいビールを飲み干した。


料理が出来たようだ。
ハンバーガーって言うには安っぽすぎる、見た目にも分かる洗礼されたハンバーガーだった。
バーガー袋を添え、ナイフもフォークも添えてある。
豪快にいっても、上品にいってもいいようにたけるの配慮が感じられる。


見たらやっぱり食べたくなるものだ。
「たける、旨そうだな。俺も同じの作ってくれよ。」
「そうだろ。旨そうだろ。大河、厨房に来て見てみるか?」

そんな話をしている時だった。



奇声のような声がした。もちろん外からだが、明らかに声はこちらの方に近づいてくる。
スーツの男の向こうの丸い窓の外に人影が見える。
スーツの男は気がついていない。
声と人影は一緒に近づき


ドカっと扉を蹴飛ばして入ってきた。
リュックを背負った少年か? いや少年って事はない。男の子と言うべきか?
猫毛で、色白で線は細く目には涙を浮かべているようだった。

俺たち2人はあっけにとられているが、その男の子も立ち止まったままだ。
たけるが、はっと
「どうされました?」と男の子の前に走った。

う、う、うー
と男の子はたけるの胸ぐらを掴んだ。

「何やってるんだー」
俺は止めに入った。止めろと手を払う。
男の子は力なく膝から落ちたが、涙を浮かべた目はたけるを睨み付けていた。

  1. 2009/06/25(木) 22:10:10|
  2. a novel (coffee cup)
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